2015年07月31日

お客さまの靴

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私自身もそうでしたが、踵上部、アキレス腱の付け根辺りに骨が張り出していて、靴擦れを起こしてしまうことがあります。踵部分の靴擦れで悩まれている方は実は多いようで、こちらのお客さまもやはり同様の悩みをお持ちで、工房にお越しいただきました。

そのような場合は、木型の当該部分に革を盛り、張り出しが収まるスペースを作ることと、履き口の際まで芯を入れないようにすることで、アタリを緩和することが可能です。

お客さまがもう一つ気になっていたのが、既成靴を履くと親指側にスペースが空いているのに、小指側がきつくなってしまうこと。足を拝見すると、足が極端に外側に傾いているため、いくら内側にスペースがあっても、足が外に寄ってしまうようでした。

通常、木型の補正をする際には、足の形をトレースするように革を盛っていきますが、このような場合は、足の形状通りに木型を補正すると、足はどんどん外側に逃げて行ってしまうため、別のアプローチが必要になってきます。

今回は、内側の空きスペースを減らすとともに、木型の底面に補正を施し、接地のバランスを少し変えることによって対処しました。底面の補正に関しては、あまり大げさにバランスを変えると足を痛めてしまうことがあるので、仮縫いを経て、やや軽めの補正量にしました。

補正の結果、小指のアタリはなくなり、親指側の余りスペースはほぼ解消することができました。親指関節付近に革の余りが見られますので、こちらは次回以降に解消していきます。

表革は肌理の細かいタンニンキップのこげ茶をお選びいただきました。
深い光沢と透明感とで、華やかな場にも履いていただける一足になったと思います。

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○仕様(メンズ)
表革:タンニンキップ こげ茶
裏革:ナチュラル
手縫いステッチ:こげ茶
靴紐:こげ茶
ソール:こげ茶

posted by cacica at 23:37| スタンダードライン