2018年01月17日

いすみ市のベビーシューズ

千葉県いすみ市では、「キョン」という小型の鹿が爆発的に繁殖しているそうです。夕方のニュースの特集等でも取り上げられているそうなので、ご存じの方も多いかもしれません。農業被害や植生被害の深刻化、捕獲の際の人員・資金の確保等、問題は多方面に及ぶとのこと。そこで、捕獲したキョンの革を地域資源として活用し、うまく循環の輪を構築できないかという試みが進められています。

その活用案の一つとして、キョンの革を使ったベビーシューズができないかとのいすみ市からのご依頼で、デザイン〜型紙〜サンプル製作をさせていただきました。

今回のベビーシューズは販売用ではなく、製作キットや一日体験用としてのもの。製作の際は、以下の点を考慮に入れています。
・初心者でも手縫いで簡単に縫えること
・革漉き(厚み調整)が必要ないこと
・カラーバリエーションが作りやすいこと

kyon01.jpg

kyon02.jpg

kyon03.jpg

kyon04.jpg

kyon05.jpg

結果、上のような形になりました。靴のタイプとしては、ギリーといえるでしょうか。キョンの革だけでは、その柔らかさから形状維持が難しいため、牛の革とのコンビにして強度を出しています。足にあたる部分(主に後足部)に主にキョンの革を使用し、それを強度のある牛革で前足部から覆うような形です。なんとなく、自然や動物を想起させるような造形になったと思います。

作り方や資材の手配先等をお伝えして、ひとまず私の仕事はここまで。今後、どのような展開になるかわかりませんが、もしどこかで見かけた際には応援よろしくお願いいたします。

posted by cacica at 22:42| ベビーシューズ