カジュアルラインは、試着をしてサイズを選んでオーダーいただくというシステムを採っており、足に合わせての調整は行っていません。ハンドメイドの既成靴ともいうべきものです。
そう聞くと、それは工場生産の既成靴はどう違うのかという疑問が湧いてくるかもしれません。
ひとつには手作りの場合、革の性質を見極めながら製作ができるという点が挙げられます。
工場生産の場合、全ての工程を一人の人が行うということはあまりありませんので、
一つの工程でベストが尽くされていても、それが次の工程で全て活かされるとは限りません。

それに対して、ハンドメイドでは、一つ一つの工程で革の状態を確認しながら、
最適な状態で靴を製作していくことができます。
その結果、革に過度な負担をかけることなく、履き心地の良い靴を作ることができるのです。
もう一つには木型の形状が挙げられます。
工場生産の靴では成形性を優先するため、木型の形状は単調なものになりがちです。
特に、木型の底面は全くのフラットだったり、極端に丸くなったりしているものが多くみられます。
では、カジュアルラインで使用している木型の底面はどうかというと、こんな感じです。

ちょっとわかりにくい写真になってしまいましたが、足の裏を親指側から見たところです。
足の裏の形に近づけているのが、なんとなくおわかりいただけるでしょうか。
これは底面ですが、上面もおおよそ同じことが言えます。
今までのオーダーで得られたデータを元に、違和感をおぼえない程度に足の形に近い形状にしているのです。
成形にはひと手間かかりますが、こうすることで、足馴染みを良くしています。
既成の靴の難点はサイズにありますが、
カジュアルラインでは一つの足長に対して2つの足囲を用意することによって、
より多くのお客さまにフィットする靴をご提供できればと思っております。
posted by cacica at 23:07|
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