2016年02月11日

お客さまの靴

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足の指の付け根の関節は骨が張り出しやすい部位になります。元々、骨が大きい場合もありますし、外反母趾や内反小趾などで後天的に突出してくることもあります。 そのような足の形をお持ちの方は、圧迫や擦れによって生じる痛みや、張り出した骨の形状が靴に出てしまうことに悩まれているようです。

母趾側の骨の張り出しは、木型の工夫で目立たなくさせるのも擦れを抑えるのも難しくはないのですが、小趾付近は靴を履いた時に外側に押し出されるため、その部位の張り出しの対応は少し難易度が上がります。こちらのお客さまは小趾側の骨の張り出しに加えて、とても柔らかい足をお持ちでしたので、それらを考慮して靴の製作に入りました。

小趾側の骨の張り出しに対しては、締め付けすぎると目立ちますし、なにより痛みが出てしまいます。しかし、柔らかい足は通常の絞り具合では靴の中で足が前すべりしてしまうため、通常よりも多めに絞る必要があるのです。そのバランスをとるのが難しく、今回は仮縫いから本靴へと足の様子を見ながら絞り具合を判断し、最終的には本靴の中敷を全敷にすることで程良いフィッティングを得ることができました。また、柔らかい革で作ったサイドライニングを当該部位の表革と裏革の間に入れることで、クッション性も高めています。

お客さまのご要望により、同素材のキルティタンをお付けいたしました。靴ひもに通していただくことで簡単に装着できますので、お洋服や気分にあわせて付け外ししていただけます。

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○仕様(レディース)
表革:タンニンキップ 茶
裏革:ナチュラル
手縫いステッチ:こげ茶
靴紐:こげ茶
ソール:こげ茶

posted by cacica at 22:31| スタンダードライン

2016年02月07日

タピールを使った靴磨き(スタンダードライン 磨き編)

タピールを使用した靴磨きの手順、先日は汚れ落としについてご案内させていただきましたので、今日はその続き。ここからは、スタンダードラインとカジュアルラインに分けて、説明していきます。

分けて説明するのは、使用している革が異なるためです。カジュアルラインではマットな仕上がりのオイルドレザーを、スタンダードラインではやや光沢のあるスムースレザーをメインに使用しています。

今回はスタンダードラインを取り上げて説明を続けます。

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使うのは「フレーゲクリーム」。どちらかというとロウの成分の多いクリームです。
Cacicaでは、黒・こげ茶・無色を取り扱っておりますので、履いている靴に応じて使い分けていただくと良いかと思います。

前回の最後に書き忘れましたが、レーダーオイルで汚れを落とした後に磨きに入る場合は、少し時間を置いて、しっとり感がやや落ち着いてからが良いです。すぐに磨くと、革の中のオイル分が多くなり、革が柔らかくなりすぎてしまいます。

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まずは少量を「ミニブラシ」に取りましょう。
タピールの製品は天然由来の成分からできているので、素手でも塗り広げることが可能ですが、クリームは指を使うと多く取りすぎてしまう場合があるので、こちらのブラシを使うと便利です。

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レーダーオイルの時と同じように、やはり目立たないところから塗っていきます。
ブラシから靴に移したクリームを、円を描きながら薄く塗り広げる感じです。
シボのある革や、穴飾りのある靴は、クリームが溜まりやすいので、気をつけて。

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まんべんなく薄く塗り広げられたら、手で感触を確かめてみましょう。
この段階では、キュッキュッと、やや引っ掛かりを感じると思います。

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掌を使って、全体を少し撫でてあげてください。
体温でクリームが柔らかくなり馴染むことで、塗りムラがなくなります。

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それから「艶出しブラシ」でブラッシング。
クリームの色がわかるように、無色のものを使います。
靴によって複数色のクリームを使い分ける場合は、ミニブラシや艶出しブラシも使い分けると、色が濁らずに済みます。

磨き方としては、汚れ落としのように払う感じではなく、それより少し力を入れると、光沢が出やすいと思います。コシがある豚毛に対して、馬毛はしなやかなので、多少力を入れても、革を傷つける心配がありません。

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全体がブラッシングできたら、もう一度、手で革の表面に触れて、触り心地を確認してみましょう。
引っ掛かりがなくなり、見た目にも自然な光沢が出ているでしょうか。
大丈夫そうなら、最後に靴紐を通して靴磨きはおしまいです。
おつかれさまでした。

靴磨きは始めるまでは腰が重いですが、やりはじめるとなかなか楽しいものだと思います。
毎日やる必要はありませんので、靴の状態を確認する意味でも、時間のあるときに靴と向き合ってあげてくださいね。

次の機会には、カジュアルラインのケアの仕方をご案内させていただきます。

posted by cacica at 22:16| tapir

2016年02月04日

カジュアルライン 新素材準備中

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カジュアルライン用に良いと思える素材を見つけたので、現在サンプル製作中。
うまくまとまれば、春の受注会のタイミングでお披露目の予定です。

posted by cacica at 20:47| カジュアルライン

2016年01月29日

タピールを使った靴磨き(汚れ落とし編)

お客さまからのお問い合わせも少しずつ増えておりますタピールのケア用品。
使用方法についてのご質問もいただきますので、こちらで靴磨きの流れをご案内させていただきます。

靴磨きというと、クリームをつけて磨くことが真っ先に思い浮かぶ方もいらっしゃるかと思いますが、それよりも前段階で重要なのが、靴の汚れを落とすことです。汚れやホコリが付いている状態は、見た目だけでなく、革にも良くないので、まずはそこからしっかりとケアをしていきましょう。


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まずは、靴紐を抜きましょう。ちょっと面倒ですが、紐が通ったままですと磨きにくいです。
この状態で、革がどんな様子か確認しておくと、適切なケアができますし、後で靴磨きの成果も実感できます。

次にブラシをかけていきますが、泥汚れがひどい場合はブラッシングの前にかたく絞った布で泥をふき取るのも有効です。その際は濡らし過ぎにご注意を。

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ブラッシングに使うのは、「艶出しブラシ」。
靴磨きの際、汚れ落とし用は馬毛、磨き用は豚毛とブラシを使い分けることも多いのですが、タピールのブラシは馬毛のものしかありませんので、汚れ落としも磨きも、艶出しブラシを使用します。
一つのブラシを汚れ落としと磨きとで兼用するわけではなく、ブラシの色によって、黒は汚れ落とし用、無色は磨き用と、使い分けると良いかと思います。磨きに無色のものを使うのは、後々、使用したクリームの色の判別がつくようにです。

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アッパー全体にブラシをかけていきます。
個人的な使用感としては、毛の本数が多く、線や点でなく、しっかりと面で靴にあたるのが頼もしいです。

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アッパーとウェルトの間もホコリがたまりやすいので、かき出すようにブラッシング。
特にスタンダードラインの靴は、ホコリや泥によってスクイ縫いにも悪影響が出ますので、念入りに。

ブラッシングは一番手軽にできるケアです。
履いた後、気づいた時にホコリを払ってあげるだけで、靴は長持ちするようになります。

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靴の表面の汚れを落としたら、今度は「レーダーオイル」を使って、革の内部に入ってしまった汚れを落としていきましょう。

タピールの多くの製品には、オレンジオイルが使われており、柑橘系の香りがします。
特にこちらのレーダーオイルは除菌効果のある酢も含まれているため、果実酢のような良い香り。
気持ちよく靴のケアができます。

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古くなったTシャツ等の布を指に巻きつけて、レーダーオイルを少量取ります。
レーダーオイルは成分が中で分離していますので、使う前には良く振りましょう。

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靴につけると一時的に色が濃くなりますが、だんだんと元の色味に落ち着いていきます。
Cacicaの靴では、色の変化に支障がないことは確認済みですが、それ以外の靴では確証はありませんので、目立たない土踏まずの辺り等で確認していただいてからの使用をおすすめします。

ゴシゴシと擦らなくても大丈夫。
くるくると円を描くように、革の表面を撫でていきます。

布が汚れたら、こまめに使う場所をかえて、繰り返してください。

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拭き終えたところ。
色味は濃く見えますが、靴全体がしっとりとしているのがわかるかと思います。

通常のクリーナーとは異なり、オイルが主成分のため、汚れを落としつつ革をしっとりとさせることができるのが、レーダーオイルの特徴です。靴磨きをしばらくサボって革が乾燥しているときや、この後の磨きの際に下地を作りたいときには、効果があります。

逆に、つけすぎでオイル過多の状態になりやすいとも言えますので、つけるときは必ず少量ずつにしましょう。つけすぎが心配な場合は、レーダーオイルをあえて使わないというのもアリかもしれません。
この後の磨きの手順で使用する「フレーゲクリーム」にも「レーダーバルサム」にも、汚れ落としの効果のあるオイルが少量含まれていますので、靴があまり汚れていないとき、革がしっとりとしているときは、それらの効果に頼るのも一つの方法です。…ちょっとわかりにくいでしょうか。

まとめますと、まずはブラッシングでホコリや目に見える汚れを除去。
革の状態を確認して、汚れがひどい場合、革が乾燥している場合は、「レーダーオイル」で拭く。
あまり汚れておらず、乾燥もしていない場合は、磨きの手順へ。
ということで良いかと思います。

長くなりましたので、磨きの手順はまたの機会にさせていただきます。

posted by cacica at 08:20| tapir

2016年01月28日

KARMAN LINE 靴下のご紹介

今シーズンから入荷いたしましたKARMAN LINEの靴下、今日は残りの3足をご紹介させていただきます。

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Pisces 魚座の靴下
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繊維が均一で細長いスーピマ綿をハイゲージの編機で編み立てた、上品な一足。 柔らかな肌触りでありながら、高い耐久性を併せ持つ丈夫な仕上がり。 怪物から逃げるため、魚になって川へ飛び込んだ母と子の姿ー 泡粒を柄にした履き口は、程良いアクセントに。
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KARMAN LINEのお二人から送っていただいたサンプルを手に取って、奥さんとともに一番盛り上がった靴下がこちら。画像で見ると、履き口にはレースが付いているかのように見えますが、実際には、紹介文にあるように泡を模した立体的な柄編みになっていて、とてもかわいらしいのです。是非、お手に取ってご覧いただきたい一足です。
レディース…black / white



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Lyra 琴座の靴下
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琴座の靴下。
細やかな星座の柄が美しい、エジプト綿で編み立てた靴下。 全ての生き物に安らぎと休息を与える、音色の様に優しく包みこむ履き心地は、熟練した職人から生まれる。 スニーカーや革靴、どのようなスタイルにも重宝する一足。
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こちらの靴下を手に取って、まず気付くのが軽やかさと生地の光沢感。甲から足首にかけて入った、幾何学的な模様が、キラキラと輝いて見えます。素材感も良く、季節を問わず履いていただける一足です。
Cacicaでは、発色の良いzucchiniとmustardをオーダーいたしました。
レディース…zucchini / mustard



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Neptune 海王星のレギンス
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肌が触れる裏面に絹、伸縮性のある糸を表面にする為、通常とは異なる編み立てをした特別な一着。上質な絹を贅沢にたっぷりと使用したレギンスは、驚くほどの伸縮性。一年を通しての履き心地良さは、吸汗、吸保湿性に優れた絹ならでは。
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レギンスについては正直なところ、男性の私にはわからない部分も多いのですが、しっかりとした生地で、長くお使いいただけるのではないかと思います。今回は一足のみ入荷しておりますので、気になる方はこの機会に是非。
レディース…black


今季入荷した靴下は以上となります。
サイトに靴下のページも作りました。ブログよりもやや大きめの画像もアップしてありますので、よろしければご覧ください。

春夏の靴下も、また入荷次第、ご案内させていただきます。
私もとても楽しみです。

posted by cacica at 21:40| KARMAN LINE

2016年01月27日

工房改装日誌14

昨日の棚の右側、壁作りの様子です。

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2×4材を枠にして、裏からコンパネをあてます。
この際に、棚の下半分にも背板をつけたのでした。

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さらに骨組みを組んで…、

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昨年庭から切り出したオリーブの枝を差し込みます。

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この枝は、打ち合わせスペースとの緩やかな間仕切りと、吊るせる小物の什器を兼ねています。

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枝の位置を少し変更して、裏から固定。

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表から白くペイントしたコンパネで閉じて、側面は出来上がり。

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壁の上部は1×4材で蓋を。

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奥さんの実家からいただいてきた建具に端材を打ち付けて高さを微調整。

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壁上部には細い木材でレールを敷きました。

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そこに建具をはめ込んで、倉庫との仕切り壁は完成です。

今月は、靴のオーダー納期に比較的余裕があったため、ショップスペースの改装及び商品の展開を、重点的にすることができました。来月からは、また本来の靴作りの日々に戻りそうです。

ショップスペースにつきましては今のところ、靴のオーダーにお越しいただいたお客さまや教室の生徒さんにご覧いただいているような感じですが、いずれは月毎に日にちを決めてオープンするか、週を決めてオープンするかにしたいと考えております。運営形態が決まり次第、またご案内をさせていただきますので、しばらくお待ちいただければと思います。

posted by cacica at 19:10| 工房改装日誌

2016年01月26日

工房改装日誌13

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倉庫とショップスペースとの間に、商品を置いておくための棚を作りました。
展示会等に使っていた棚の棚板を切って奥行きを浅目にし、古材の板と組み合わせています。
2×4材で細めの柱を立てて、挟むようにして固定。

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エッジも丸くやさしい感じに仕上げました。

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こちらは以前、工房の入り口に使用していた縁台です。
元々あった板と板の間のスキマをなくすように再構築後、ペイントしました。

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これで、商品を陳列するスペースが完成です。
右の半間は腰の高さの壁を作りました。こちらの様子は後ほど。

posted by cacica at 08:13| 工房改装日誌

2016年01月24日

KARMAN LINE 靴下のご紹介

今日は、先日からお取り扱い開始いたしましたKARMAN LINEの靴下を2足、ご紹介させていただきます。

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Taurus 牡牛座の靴下
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しなやかで柔らかく保湿性に優れた子羊の毛を使用し、厚手に編み上げた寒い季節に嬉しい靴下。履き口のゴム丈は短く、折返し可能な仕様に。牡牛が渡る海の波を柄にした二色の靴下は、足元のアクセントになります。

※ラムウールについて…生後5ヶ月前後の仔羊から初めて刈りとった羊毛のことを指します。保温性・吸湿性・放湿性・撥水性・抗菌消臭が高いウールの良さに加え、密度が濃く細やかな繊維は優しい肌触りも兼ね備えています。
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こちらの靴下はメンズ・レディースともに展開があります。
Cacica取扱いの、今シーズンの靴下の中では唯一のメンズ商品でもあります。
私も奥さんも一番最初に履いたのがこちらの靴下でした。
程良い厚みがあり、とても柔らかな履き心地。秋冬の定番になれる一足かと思います。
メンズ…bottle green / navy
レディース…marmalade / navy



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Gemini 双子座の靴下
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番手の細い綿糸で編みたてた、きめ細やかでしなやかな生地が心地よい一足。爪先と踵には毛羽立ちが少なく、強度のある綿を使用。命に代えても愛する双子の物語を込めて、踵に一つずつ入れた心のかたち。踵よりも少し高めに入れた切替は、上品なアクセントに。
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紹介文にもあるとおり、つま先と踵にはしっかりとした生地が使われており、丈夫です。
コントラストのはっきりした2色使いの靴下は、靴との組み合わせによっても印象の変わりますので、コーディネートの幅が広がります。Cacicaでの取り扱いはレディースのみ。
レディース…red / gray

今日はここまで。
その他の靴下のご紹介は、また改めてさせていただきますので、どうぞお楽しみに。

posted by cacica at 20:47| KARMAN LINE

2016年01月19日

FLAT HOUSE style

Cacicaにて、「FLAT HOUSE style」をお取り扱いさせていただくことになりました。

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古い平屋の風合いを活かしつつ、リノベーションしながら暮らしていく。
その魅力がたっぷり詰まったリトルプレス「FLAT HOUSE style」。
一冊につき一軒の平屋を細部にわたり紹介していくスタイルで、現在vol.4まで刊行されています。

販売分はスリーブに入れてありますが、サンプルは見ていただくことができるようになっておりますので、気になる方は是非お手に取ってご覧ください。

posted by cacica at 21:35| FLAT HOUSE style

2016年01月15日

KARMAN LINEの靴下

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Cacicaにて、KARMAN LINEの靴下をお取り扱いさせていただくことになりました。

KARMAN LINE(カーマンライン)
−靴下の産地/奈良の方々と共に靴下を作っています−
靴下作りに携わる人々とそこから始まる出会いを星座が織りなす物語になぞらえて、柔らかく優しい靴下を編み上げています。

初回入荷分につきましては、工房にお越しいただくお客さまの好みもまだ分かりませんので、幅広い素材、色合いでオーダーをさせていただきました。柔らかな素材感や品のある色合い、さりげなく主張のあるそれぞれの靴下を、是非お手にとってご覧ください。

靴下の詳細につきましては、後日改めてご紹介させていただきます。

posted by cacica at 22:03| KARMAN LINE

2016年01月07日

工房改装日誌12

年末年始に倉庫を少し片付けました。

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ホームセンターで集成材を買ってきて、おもむろにノコギリで切ります。

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棚のように板を組んで、裏にゴムのキャスターを取り付けます。

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余っていた革でハンドルを作り、取り付けます。

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さらに余っていた革で、ネジを隠します。
真鍮釘は3本でも良かったかもしれませんが、気にしません。

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ひとしきり遊んだ後、おごそかに押入れに設置します。

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カジュアルラインの試着サンプルを収納するのに、とても便利です。

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ショップスペースも少しずつ出来上がってきましたが、もう少し什器が必要なようです。
取扱いをさせていただく商品も決まってきていますので、後日紹介させていただきます。

posted by cacica at 21:55| 工房改装日誌

2015年12月27日

お客さまの靴

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今回ご紹介させていただくのは、あるお客さまの2足目と3足目の靴になります。

私どもの靴作りの姿勢に共感してくださって展示会でオーダーをいただいたのが最初で、それからおおよそ一年に一足のペースでオーダーを重ねていただいております。

今までは既成の靴を履き、くたびれてきたら買い換えていたそうですが、オーダーした靴の既成靴とは異なる履き心地に、靴に対する認識が変わったとのことで、今ではお持ちの靴もローテーションを組んで履き、修理をしながら長く付き合うようになったそうです。オーダーをいただくことはもちろんですが、このようなお話を聞くととても嬉しくなります。

足は後足部にボリュームがあり履き口に負担がかかるため、踵芯を長めに取ることでしっかりとホールドできるようにしています。2足目の時点ではまだ右足の土踏まず付近に少し余分なスペースがありましたが、3足目にはそれも解消し、現時点では手を入れる必要のないフィット感になっています。

ぴったりとフィットするようになった木型で、現在4足目の靴を製作中です。

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○仕様(メンズ・2足目)
表革:栃木レザースムース 黒
裏革:黄色
手縫いステッチ:黒
靴紐:黒
ソール:黒

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○仕様(3足目)
表革:栃木レザースムース こげ茶/栃木レザーシュリンク キャメル
裏革:黄色
手縫いステッチ:こげ茶
靴紐:こげ茶
ソール:こげ茶

posted by cacica at 23:09| スタンダードライン

2015年12月15日

靴紐は消耗品です

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先日、玄関で靴を履き、紐を結んでいると、紐がプツンと切れてしまいました。
紐靴は紐を締めることでフィット感を高めているので、履いたら締め、脱ぐときには緩めるのが基本なのですが、繰り返すとくたびれてきて、最終的には切れてしまいます。

切れてしまったからといって、使い方が間違っているのではなく、それは普通のこと。
むしろ、紐をきちんと使って靴を履けている証なので、とても良いことです。

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Cacicaでは長い紐を仕入れてきて、工房内で靴に合った長さに加工していますので、オーダーいただいた靴の種類に合わせて作るのはもちろん、お好みの長さの紐も作ることが可能です。
紐が切れてしまったり、端のメタルチップがとれてしまった場合はご連絡をいただければ、すぐにお作りいたします。

posted by cacica at 22:49| 靴のこと・道具のこと

2015年12月04日

工房改装日誌11

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庭のネムノキ。

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7年ほど前に植えたときには90p程の高さでしたが、ずいぶん高くなり枝も伸びてきたので、少し枝を払いました。

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ついでにオリーブと月桂樹の枝も落としたので、庭がいくらかスッキリしたと思います。

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月桂樹の枝は良さそうなところだけ小さく取り分けてあるので、ご自由にお持ちください。

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工房の中は今ゴシャゴシャとしていますが、ショップスペースを作ろうと計画中です。

posted by cacica at 19:21| 工房改装日誌

2015年11月24日

タピール製品の紹介

先日から取扱いさせていただくことになりました、タピールのケア用品についてご紹介させていただきます。

タピールは、1983年にドイツに誕生した皮革ケア用品のメーカーです。
原料には、産地が確かなだけでなく、採集・精製もそれぞれに適した方法で行なわれる、品質に優れたものを使用しています。tapirのサイトはこちらをご覧ください。

タピールの製品はいずれも天然成分だけでできているため、塗布した後に革に素手で馴染ませることができます。分量や革の質感を確かめながらケアができますし、靴に対する愛着も増すのではないかと思います。柑橘系の香りも心地良いです。


フレーゲクリーム

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一般的な乳化性クリームと同じ使い方ができるクリームです。
どちらかというとワックスの成分が多く、自然な光沢が得られます。
色つきのものもありますが、補色性はあまり高くありません。
Cacicaでは、スタンダードラインのケアに使用しています。
取扱い色 : 無色・こげ茶・黒


レーダーバルサム

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缶入りの仕様は一般的な艶出し用ポリッシュのようですがそこまで硬質ではなく、フレーゲクリームと、後に紹介いたしますレーダーオイルとの中間の性質となります。オイルの成分が多いため光沢はあまり得られませんが、浸透性が高いのでオイルレザーのケアに有効です。
こちらも各色ありますが、補色性はやはり高くありません。
Cacicaでは、カジュアルラインのケアに使用しています。
取扱い色 : 無色・こげ茶・黒


レーダーオイル

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主に汚れ落としに使用するオイルです。
油分を補い、革をしなやかに保ちます。


ミニブラシ

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タピールのロゴとバクのマークが入った、かわいらしいブラシです。
クリームやバルサムを塗布するときに使います。ブラシ素材は馬毛です。


艶出しブラシ

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こちらは大きめのブラシ。素材はやはり馬毛になります。
艶出しブラシというと豚毛のものが多いかもしれませんが、馬毛はそれよりも柔らかく、こちらのブラシは毛の本数も多いので、靴を面でとらえることができ、磨きやすいです。
工房では黒色のものをホコリ落としに、ベージュのものを磨きに使っています。

以上、取扱い商品のご紹介でした。
それぞれの商品を使ったケアについては、また改めてご案内させていただきます。

posted by cacica at 22:43| tapir

2015年11月01日

お客さまの靴

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左右の足の形や大きさがまったく同じという方も世の中にはいるのかもしれませんが、ほとんどの方には左右差が見られます。それが形なのか足長や足囲のように数値で表せるものなのか、また、その差が大きいのか小さいのかは様々ですが、オーダーの靴ならば、そのような場合にも柔軟に対応することが可能です。

こちらのお客さまは足囲に左右の差がかなりあるため、既成靴を選ぶときには、なんとなく違和感をお持ちだったようです。そのような場合、足囲が左右別々の数値の木型を製作することになりますが、ただ数値を追って補正を施せば良いというわけではなく、形もできるだけ左右で同じに見えるよう考慮しています。

左右の大きさが違うことで、おかしく見えないか心配される方もいらっしゃいますが、同じ大きさの靴を無理に履いて、不自然なシワが出たりするよりも、足元がきれいに見えるのではないかと思います。

モデルのご希望としては、プレーントウが良いとのこと。ただ、当工房のプレーントウは紐穴にハトメの入ったクラシカルなタイプの靴になるため、今回は通常のキャップトウからキャップ部分を省いて製作しています。既存のモデルに要素を足すことはできませんが、引いていくこと(例えばフルブローグをブラインド仕様にする等)は可能ですので、ご相談ください。

表革はタンニンキップの黒をお選びいただきました。キャップがなくなり広くなったトウ部分に革の肌理の細かさが引き立ちます。

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○仕様(メンズ)
表革:タンニンキップ 黒
裏革:ナチュラル
手縫いステッチ:黒
靴紐:黒
ソール:黒

posted by cacica at 23:31| スタンダードライン

2015年10月22日

Tapirのケア用品

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Cacicaにて、Tapir(タピール)のケア用品をお取り扱いさせていただくことになりました。
品目としては、下記のものになります。

・フレーゲクリーム(黒・茶・無色)
・レーダーバルサム(黒・茶・無色)
・レーダーオイル
・ブラシ類

商品の詳細につきましては、ひとつずつ、また後日改めてご案内させていただきます。

オーダー靴のお客さま、靴作り教室の生徒さんはもちろん、それ以外のお客さまでもお買い求めいただけます。ひとまず少量ずつの在庫となっておりますので、ご確認いただいてからお越しいただくと確実かと思います。

よろしくお願いいたします。

posted by cacica at 21:36| tapir

2015年10月13日

トップリフトの厚さ

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Cacicaの靴のトップリフト(ヒール接地面のゴム)は、スタンダードラインもカジュアルラインも合成ゴム製です。

合成ゴムは、通常ソール部分に使われるもので、一般的なトップリフトよりも柔らかいのです。
私自身が硬めのトップリフトで歩き続けると踵が痛くなってしまうので、柔らかさを重視した仕様にしているのですが、どうしても減りは早くなってしまいます。

そのため、厚さを8ミリとやや厚めにして(通常は6ミリのものが多いです)、耐摩耗性を高めています。小さな工夫ですが、このような工夫の積み重ねが履き心地、使い勝手の良さに繋がっていくと考えています。

posted by cacica at 21:47| 靴のこと・道具のこと

2015年09月28日

工房改装日誌10

前回の後、2回ほど作業をして漆喰塗りが完了。
結局、使った練り済み漆喰は計15キロ弱でした。

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フライヤーを置くスペースも少し様になってきました。

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外電源につながるコードが出る部分は大胆に穴があき、ガムテープで塞がれているような状態だったので…、

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端革を打ち付けて、やはり大胆に塞いでみました。

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天井に漆喰を塗る場合は壁紙を剥がした方が良いらしく、手間がかかるので、ひとまず天井はそのままに。照明は外してシーリング増改アダプタをかませ、コードを2本に分けることにしました。

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はみ出ているシーリング類を隠すため、こちらにも革を打ち付けてみましたが、カーフ判丸々一枚では、さすがにワイルドすぎたようです。次回以降の課題です。

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照明は無事2つになりました。
一方はフライヤーの棚近くへ。

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もう一方は革小物等を置いておくスペースの上に、古い滑車と組み合わせて吊るすことにしました。

玄関スペースはこれにてひとまず終了。
次は倉庫スペースの片づけに入ろうと思っています。

posted by cacica at 19:56| 工房改装日誌

2015年09月23日

お客さまの靴

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足に靴が合わない要因として、幅が広い、甲が高いといった「形」が挙がることが多いですが、人によっては「大きさ」が悩みの種になることもあります。

こちらのお客さまは足のサイズが小さく、既成の靴で合うものを探すのが難しいとのことで、オーダーをいただきました。足のサイズを測ってみると、左右ともに20.5cm。前足部が幅広なこともあり、普段はやや大きめの靴を履いていらっしゃるとのことでした。

窮屈な靴が足に負担になるのと同様に、緩すぎる靴もまた足を支えてくれないため、足が疲れる原因になります。理想とされるのは、指の付け根から後ろ、踵までは足にピッタリと沿うようにタイトで、指先にはややゆとりがあるようなフィッティング。それにお客さま個々人の好みや今まで履いていた靴を考慮して、最適なフィット感を導き出していくことになります。

今回はお客さまが今まで大きめの靴を履いてきたことを加味して、指の付け根部分の締め付けを少しだけ緩めにすることにしました。

また、スタンダードなパターンバランスでは、履き口が狭く履きにくいとのことでしたので、仮縫いを経て、履き口が通常よりも大きく開くようなバランスに修正しました。

仕様は黒一色の中に、裏革のみ赤。靴を脱いだ際に、鮮やかさが目を引きます。

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○仕様(レディース)
表革:栃木レザースムース 黒
裏革:赤
手縫いステッチ:黒
靴紐:黒
ソール:黒

posted by cacica at 21:50| スタンダードライン