
足に靴が合わない要因として、幅が広い、甲が高いといった「形」が挙がることが多いですが、人によっては「大きさ」が悩みの種になることもあります。
こちらのお客さまは足のサイズが小さく、既成の靴で合うものを探すのが難しいとのことで、オーダーをいただきました。足のサイズを測ってみると、左右ともに20.5cm。前足部が幅広なこともあり、普段はやや大きめの靴を履いていらっしゃるとのことでした。
窮屈な靴が足に負担になるのと同様に、緩すぎる靴もまた足を支えてくれないため、足が疲れる原因になります。理想とされるのは、指の付け根から後ろ、踵までは足にピッタリと沿うようにタイトで、指先にはややゆとりがあるようなフィッティング。それにお客さま個々人の好みや今まで履いていた靴を考慮して、最適なフィット感を導き出していくことになります。
今回はお客さまが今まで大きめの靴を履いてきたことを加味して、指の付け根部分の締め付けを少しだけ緩めにすることにしました。
また、スタンダードなパターンバランスでは、履き口が狭く履きにくいとのことでしたので、仮縫いを経て、履き口が通常よりも大きく開くようなバランスに修正しました。
仕様は黒一色の中に、裏革のみ赤。靴を脱いだ際に、鮮やかさが目を引きます。

○仕様(レディース)
表革:栃木レザースムース 黒
裏革:赤
手縫いステッチ:黒
靴紐:黒
ソール:黒